特集コラム

Column 6 中野ブロードウェイを歩く

2010/12/02

GIANT HOBBY

近年では、インターネットや携帯電話等の普及で対戦ゲームの事情もずいぶん変わってきたように思う。そもそも、対戦型TVゲームの先駆け“ファミコン”がブームとなったのは1980から90年代頃だったと記憶している。
当時の私もファミコンのコントローラーを握るとドキドキしてプレイしていたものだが、正直な事を言うと、家のTVの前には「ファミコン」という物が置かれていなかった。
その理由は今でもよく分からないが、おそらくナイター中継が好きなジャイアンツファンの「サンタさん」が枕元にファミコンを置いていってくれなかったからだと思う。

確かに、友達みんなが持っていたファミコンには憧れを抱いてはいたが、おこずかいを貯めて買ってやろうとか、おもちゃ屋の前で駄々をこねたりしようと思わなかったのは「自分ルール」のゲームが身近にあったからだと思う。
「自分ルール」のゲームとは、兄弟や友達と一緒に工夫して作った斬新なゲームの事だ。ファミコンが無かった私の家で遊ぶ時は、スゴロク盤・トランプゲーム等を自分達で作り上げ、オリジナルのルールでプレイしていたものだ。

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なぜ急にそんな事を思い出したかというと、中野ブロードウェイ3階にオープンした「GIANT HOBBY」に訪れたからである。GIANT HOBBYは2010年10月16日にオープンしたメタルフィギュアゲーム専門店。メタルフィギュアゲームは、ミニチュアゲームとも呼ばれるゲームで、なんと、全てを手作りで仕上げる陣地取りボードゲームの事なのだ!

全てを手作りで仕上げるという部分に懐かしさを感じていたのだが、メタルフィギュアゲームで作り上げるのは、キャラクターの配色、戦場風景、そしてルールまでに至るまでを作り上げなければいけない為、ゲームを開始するまでが大忙しなんだとか。

店長の竹内さんに「実際の商品を見せて下さい」とお願いをしてみると、笑顔でシルバー1色で塗られた騎士やガイコツのフィギュアを持ってきてくれた。
確かに、ファイナルファンタジーにも出てきそうなカッコ良いキャラクターなのではあるが、そのシルバーだけの色使いに「カッコ...よさげですねぇ...」と戸惑ってしまったのが最初の印象だった。

「ハハハ(笑)最初の色はシルバーなんですよ。でもほら、こっちの棚に完成した見本が飾ってあるんです。よかったら見てくださいよ。」

そう言われて視線を移すと、その先でポーズを構えていたのは超リアルなミニチュア戦士達!恥ずかしながらも思わず「カッケー!」と叫びそうになってしまった自分がいた。
携帯より小さいサイズのフィギュア達に、何十色もの色を器用に塗り、さらには戦場の要塞や枯木をジオラマでリアルに再現しているから驚くのも当然だ。

「メタルフィギュアゲームは通称ホワイトメタルという合金に色を塗って仕上げていくんです。難しいように思えますが、実はやってみて慣れてくると簡単なんです。興味がある人やモノ作りが好きな人であれば、止まらないくらいに集中してしまいますね。」と教えてくれた竹内さん。

快く色々と教えてくれたものの、やはり初心者には敷居が高いのではないかと思っていると、その点は心配しないで欲しいと返事をしてくれた。

「流通している物は外国の物ばかりで説明が分かりにくいですよね。だけど、ジャイアントホビーの商品は自社製品がメインなんです。お店のスタッフもそれなりに経験があるので、お手伝やアドバイスさせてもらいますよ。相談に乗っている時が楽しいですね。特にお店を始めてからは、初心者の方の斬新なアイデアに影響されっぱなしなんです(笑)経験がある我々の頭だと、配色やルールが凝り固まってきているので…初心者の方の斬新なアイデアは勉強になりますねぇ。現在は作品コンテストも実施中ですので、興味のある方は是非来てください。」

GIANT HOBBYでは年末あたりに「CYCLOPS―サイクロップス―」と呼ばれる独自ルールのゲームを公開とのこと。また、作品コンテストの締め切りが12月24日と迫ってきている。興味がある方はコンテストへ応募して、自分で作り上げたプレゼントを自分に届けるクリスマスを迎えてみるのも良いのではないだろうか。

今年のサンタクロースはどんな夢を運んできてくれるのだろうか。もしかすると、今年のサンタクロースの正体は、見た目も何となくサンタっぽい竹内店長なのかもしれないなと思えてしまった。

GIANT HOBBY
http://www.giant-hobby.com/
場所:中野ブロードウェイ3F(エレベーター通り中野駅側のトイレ横)
TEL:03-5318-9411
blog:http://ameblo.jp/gianthobby/
フィギュア:1体1,000円より
ボードゲーム:約10,000円より製作可能

文・取材 / 矢嶌船峰

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